スポンサーリンク
日本では、1970年、1985年、そして2025年と、約20年ごとに万博が開催されています。特に2025年の大阪・関西万博は、デジタル時代の新しい万博の形として世界中から注目を集めています。一方、1985年のつくば万博は、科学技術をテーマに掲げながらも「成功だったのか?」「今の跡地はどうなっているのか?」といった疑問が残るイベントでした。
この記事では、「つくば万博」と「大阪・関西万博」を徹底比較し、その違い・意義・レガシー、そして未来の万博が目指す姿までをわかりやすく解説します。万博の本質に触れ、未来を読み解くヒントを一緒に探っていきましょう。
Contents
スポンサーリンク
大阪万博2025 vs つくば万博1985 開催データで比較
40年前に開催されたつくば万博に比べて、見劣りのする大阪万博… pic.twitter.com/3Y71ltGTo2
— ヒデ(和田秀也)🍶 (@zerofighter2010) July 30, 2025
開催期間と会場面積の比較
項目 | つくば万博(1985) | 大阪・関西万博(2025) |
---|---|---|
開催期間 | 1985年3月17日〜9月16日(183日間) | 2025年4月13日〜10月13日(185日間) |
会場面積 | 約100ヘクタール | 約155ヘクタール(夢洲) |
開催期間はいずれも半年程度と同じですが、会場の規模は大阪万博のほうが広大です。夢洲という埋立地に新たにインフラを整備する形となっており、アクセスも鉄道や船を新設するなど大規模な都市開発を伴います。
一方で、つくば万博は「研究学園都市」の一環として街とともに作られました。規模感は劣るものの、その時代に合った形での発展を目指していたのです。
来場者数と入場料の違い
つくば万博の来場者数は約2033万人で、当初の予想(2000万人)をわずかに上回りました。大阪万博2025は約2820万人の来場者を目標にしています。
項目 | つくば万博 | 大阪万博2025(予定) |
---|---|---|
来場者数 | 約2033万人 | 約2820万人(目標) |
入場料 | 大人2,500円 | 大人6,000円(予定) |
物価や価値の違いもありますが、チケットの価格は約2.5倍。それでも想定来場者数が多いということは、期待される経済効果も大きいということです。
テーマ・コンセプトの違い(いのち輝く vs 科学技術)
つくば万博のテーマは「人間・居住・環境と科学技術」。ロボット・通信・交通など、技術進化の先にある未来の暮らしを想定した展示が主でした。
対して大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」。テクノロジーそのものではなく、人間や命を中心に据えた未来像が問われます。
これは単なる技術推しから、「人の幸福」や「持続可能性」に軸を移した万博への進化とも言えます。
参加国・企業・団体の規模感
大阪万博行ってました!
— 両角潤香@新連載準備中 (@morozumix) July 8, 2025
つくば万博や愛地球博以来です。
予約関係オール全滅で当日予約も暑すぎて予約ええわとなって
カタール
バーレーン
サウジアラビア
インド
バングラデシュ
コモンズC(目的サンマリノ
モナコ(20時以降
ドイツ(20時以降
オール予約なしでかなり回れた!
(F1好きの神楽セレクト pic.twitter.com/B7bdKEOUaf
つくば万博は111カ国・団体が参加しましたが、大阪万博は150カ国・25国際機関以上が参加予定で、規模はさらに拡大しています。企業パビリオンもより多様化し、スタートアップやNPOの参画も期待されています。
これにより「地球市民的な発想」での万博が実現しようとしています。
万博は利益が出るのか?大阪・関西万博はつくばより成功する?
この問いは非常に重要です。実はつくば万博は赤字でした。運営費が膨らみ、国の補填が必要になった経緯があり、「失敗だったのでは?」という声もありました。
一方、大阪・関西万博は黒字を見込んでいます。チケット収入だけでなく、スポンサーシップ、パビリオン出展料、関連事業からの収益を含めた事業設計がされており、国際博覧会協会(BIE)もその実行性に太鼓判を押しています。
また、万博に伴う都市開発や観光需要による波及効果も大きく、関西経済全体への寄与はつくば以上になると予想されています。
スポンサーリンク
大阪万博とつくば万博の違い【技術と展示の進化】時代を映すパビリオンの変遷
エモい(●ꉺωꉺ●)
— ☆わやまっち ☆ (@wayamamiyuki) June 19, 2025
つくば万博の色々見てきた😊
茨城県龍ケ崎市歴史民俗資料館で6月22日まで☺️ pic.twitter.com/RlfoIJ1YfQ
1985年当時の最先端技術とは?(ロボット・リニア・通信)
1985年のつくば万博では、当時の最先端技術が一堂に会しました。特に注目されたのは産業用ロボットやリニアモーターカーの試験運転、ハイビジョン映像技術です。まだ家庭にパソコンが普及する前の時代、来場者は初めて見る技術に驚きと未来への期待を感じました。
例えば、NTTが展示した「ファクシミリ付き公衆電話」は未来的な通信手段として注目を集めましたし、センサー付きの無人案内ロボットも話題に。今でこそ当たり前になった自動化技術ですが、当時は夢のような存在だったのです。
つまり、つくば万博は「まだ見ぬ科学技術の可能性を広げた場所」だったと言えるでしょう。
大阪万博で注目の技術(AI・バイオ・カーボンニュートラル)
2025年の大阪万博では、AI(人工知能)やバイオテクノロジー、カーボンニュートラル技術が中心テーマとして扱われます。特に注目されているのが「未来社会ショーケース」と呼ばれるエリア。ここでは、空飛ぶクルマの試験運行や、個別医療のシミュレーション体験、再生エネルギーによる電力供給が実際に行われる予定です。
また、顔認証によるチケットレス入場や、多言語自動通訳システムなど、来場者の体験自体が「未来の生活」を先取りする設計になっています。もはや「見る展示」ではなく「参加する未来」が大阪万博の新しい魅力です。
展示方式の変化:静的からインタラクティブへ
つくば万博の展示は、基本的に「静的なプレゼンテーション」が中心でした。映像を見たり、模型を眺めたりといった方式が主流。しかし大阪万博では、ARやVRなどを使った体験型・参加型展示が主流になります。
例えば、建築パビリオンでAIが訪問者に合わせて説明する、健康パビリオンで自分の遺伝情報に基づいた診断が体験できるといったインタラクティブ性が重視されています。
この変化は、来場者の「見る→感じる→考える」プロセスを促進し、万博が「教育の場」としても深化していることを示しています。
エンタメ×テクノロジーの融合
つくば万博でも音楽や映像はありましたが、あくまで技術紹介の一部としての位置づけでした。しかし大阪万博では、エンターテインメントとテクノロジーの融合が重要な要素です。
例えば、国内外の有名アーティストによる「未来ライブ」や、最新プロジェクションマッピングを使った空間演出、AIによる来場者参加型の劇場体験など、五感すべてで楽しむ工夫が施されています。
万博が「勉強の場」から「感動体験の場」に進化したと感じられるポイントです。
環境配慮やサステナビリティの実践比較
つくば万博でも「人と自然の共存」というテーマは存在していましたが、2025年の大阪万博では、持続可能性(サステナビリティ)が中心理念に据えられています。
夢洲の会場では再生可能エネルギーの活用、ごみゼロを目指す資源循環システム、建築物のカーボンオフセットなどが導入されます。これにより、**万博自体が「未来のエコ都市モデル」**となっているのです。
単なる啓発ではなく、「万博そのものが環境技術の実証実験場」となることで、今後の都市開発のモデルケースとして期待されています。
つくば万博の「その後」から見る真の価値
つくば万博の40周年記念展示を見につくばエキスポセンターに行ってきました🌠
— ロミコ (@romiko_24) June 29, 2025
かわいい星丸くんグッズも沢山買ってきました😆めちゃかわいい〜💕子供よりテンション上がってたわ!#つくばエキスポセンター#コスモ星丸 pic.twitter.com/D9S7VOJ5WD
つくば万博は本当に失敗だったのか?
つくば万博は当初、「赤字が出た」「地味だった」という理由から「失敗だった」と語られることもあります。確かに、約2,033万人の来場者を集めたものの、総事業費が大きくなり、財政的には約500億円の赤字を出しました。この赤字は国と自治体が負担し、「費用対効果に疑問が残る」という評価もされました。
しかし、「失敗だったか?」と問われると一面的とは言えません。というのも、つくば万博を契機に整備されたインフラ(TXつくばエクスプレスの前身となる構想など)や、研究機関の集積は今の「つくば研究学園都市」の礎となっています。
つまり、短期的には赤字だったものの、中長期的には「未来への投資」と見ることもできるのです。
つくば万博の跡地は今どうなっている?
つくば万博の跡地は現在、「つくばセンター地区」として再開発されており、研究施設・商業施設・市民ホール・公園などが整備されています。たとえば、国立研究開発法人や大学、ベンチャー企業のオフィスが集まるこの地域は、日本最大級のサイエンスシティとして今も発展を続けています。
また、跡地には「エキスポセンター」という科学技術の展示施設が残り、万博の記憶と理念を未来に伝える拠点として活用されています。つまり、つくば万博の「土壌」は今も活きており、都市の成長と共にその意義を示しているのです。
万博後の地域再開発と経済効果
万博は会期中の経済効果もさることながら、「その後」が重要です。つくば万博では、研究開発拠点としての整備が進み、今では多数の研究者・技術者が居住・通勤する都市になりました。
大阪・関西万博でも、万博後の夢洲の再活用が重要視されています。予定されているのは、国際展示場、IR(統合型リゾート)、スタートアップ拠点など。これが実現すれば、夢洲は単なる万博会場から、西日本最大の経済ハブに変貌する可能性があります。
つまり、万博は「イベント」ではなく「都市のリブートボタン」として使われているのです。
大阪万博に期待されるレガシーとその活用
大阪万博のレガシーとして注目されているのは以下の3つです:
- 先端技術の社会実装モデル
- 人間中心のまちづくり
- 国際交流拠点としての夢洲
これらを活用することで、大阪・関西が未来都市のロールモデルとなることが期待されています。加えて、関西全体の経済波及効果は約2兆円以上と試算されており、万博を契機とした持続的成長が描かれています。
つくばのように「静かな成功」が語られるまでには時間がかかるかもしれませんが、大阪万博はより明確な戦略のもと運営されることで、「確実な成果」を残そうとしているのです。
万博が都市や人に残すものとは
万博が残すのは建物だけではありません。そこに集った人・知識・感動・記憶こそが最大の遺産です。
つくばでは科学技術への興味が若者に芽生え、多くの研究者を輩出するきっかけになりました。大阪でも「命」や「つながり」をテーマにした展示が、人々の心に何かを残すことが期待されます。
万博はただの展示イベントではなく、「社会と個人の意識を変えるきっかけ」なのです。
スポンサーリンク
まとめ
1985年のつくば万博と2025年の大阪・関西万博。40年の時を経て、日本は再び世界に向けて未来を語る舞台を用意しました。つくば万博は「技術が導く未来」を、そして大阪万博は「命と共に歩む未来社会」をテーマに据えています。
当時の課題や希望、時代背景に応じて変化する万博の姿からは、私たちがどんな社会を目指してきたのかが見えてきます。技術革新から始まった万博は、やがて人間中心・地球全体を視野に入れる共創の場へと進化してきました。
つくば万博が「失敗」と言われた背景には、財政赤字や過度な期待もありましたが、その成果は今も「つくば研究学園都市」という形で息づいています。そして大阪万博は、より戦略的かつ持続可能な設計のもと、関西全体の未来を左右する大イベントになろうとしています。
万博は過去を振り返り、今を問い直し、未来へと歩む「知の交差点」。その真の価値は、数字や建物ではなく、参加したすべての人の中に宿る“未来へのまなざし”なのです。